趣味は音楽。

アクセスカウンタ

zoom RSS 体格と演奏 試論

<<   作成日時 : 2009/03/26 20:11   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

 私は、身長が178cmと、日本人としては結構あり、鎖骨と上腕が長めなので、見た目体格がよく見えるらしい。それで、「大きいからビオラ弾くには良いですね」とか、「うらやましい」とか、たまに言われたりする。
 しかし実感としては、そこまで有利だとは思わない。あるとすれば、ボウイングで腕の重さをかけるときや、その重さを弓の速さに変換するときに、操作の幅がいくらか広くなる、といったことぐらいだろうか。しかしその重さはそのまま、演奏姿勢を維持したり、運動を制御する際の疲労の増大につながるので、一長一短といったところか。

 最近やっと理屈がわかってきたことだが、鎖骨が長い(肩幅が広い)ことと上腕が長いということは、演奏においてはあまり有利な条件ではない。以下、両者それぞれの場合について簡単に検討してみたいが、この議論に先立って、弓の直線運動と腕の長さに関して、はじめに確認しておかねばならない点がある。それは、「弓の進行方向の動きに寄与するのは、殆ど全て前腕である」ということである。

 我々がふつうに「腕」というとき、必ず含まれるのは前腕と上腕、取り扱う対象によって、手(英語で言う hand の部分)や鎖骨も含める場合がある。また、ふつう「腕の長さ」という場合、各部の長さのバランスよりも、これらの総合値が問題にされる。はじめに、それらの各部の役割について簡単に確認しておく。


 運弓について寸法的な視点から考える場合、@弓と弦の接点、A肩、B肘、C手首の4点からなる4角形を考える必要がある。
 このとき上腕は、弓の進行直線の対辺にあたり、大抵の場合、この直線に対して浅い角度が維持される。このため上腕の機能は、「前腕のヒンジ運動を弓の直線運動に合わせるために、肘の位置をこの直線から遠ざけたり近づけたりしてバランスをとる」、という事に、ほぼ限定される。このため、弓の進行方向に対して、上腕が直接的に寄与することはない。

 また、手は、基本的に弓と一定の角度を保つことが望ましい。これは、手首を重点的に用いる様々な奏法において、それらの運動に手が柔軟に対応できるようにしておくためには、ニュートラルな基本位置を常に維持しておく必要があるからである。このため手は、弓の演奏位置によって、角度を変えることは出来ない。いわば手は、機能的には、腕というよりはむしろ、弓の一部として考えてしまってよく、弓と一まとまりのものとして、腕によって運ばれるものであるといえる。それゆえ、弓位置の移動に、手が寄与することはない。

 鎖骨については、楽器の角度を変えることによって、弓の進行方向の長さに変換できるが、これは純粋に寸法的なことで、固定的なものであり、運動という観点からは、直線的運弓には寄与しない。

 これらのことから、「弓の直線運動に寄与するのは、ほぼ前腕だけである」、と結論できるのである。
 このことから分るように、鎖骨の根元からから指先まで、という、よく「腕の長さ」として持ち出される基準は、こと弓の直線運動に関しては、それだけでは何の指標にもならないのである。問題となるのは、「手の動きに十分な余裕持たせられる手首の角度を維持しつつ、前腕をどれだけ動かすことが出来るか」、ということである。つまり、前腕が長いほど、同じ円周角における弓の移動量は大きくなり、また同じ弓位置での手首の角度も広くなるので、運弓にとって有利といえる身体条件があるとすれば、「前腕が、運弓に必要な振れ幅を容易に確保できる程度には長く、しかも肘の角度が狭くなるほど長くはない」、という一点だけなのである。


 以上の点を踏まえた上で、本題に戻る。

(続く)

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
体格と演奏 試論 趣味は音楽。/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる