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みんなの「演奏」ブログ


顎あてナシでビオラを弾く。

2009/05/07 00:20
 自作テールピース第2号装着より、ついに顎あての使用を放棄した。モダン楽器、モダンレパートリーでは、殆ど狂気の沙汰である。しかもアマオケであまり見かけない、42cm弱の、割と大き目のビオラで・・・。

 そして昨日、オケで初本番。
 2ヶ月ほど経って大分慣れてきていたが、本番で落とし穴が。襟のない服でこれまで練習してきたため気づかなかったのだが、胴体側面と首との摩擦がなくなると、これまた滑りまくって仕方ないのである。そのため、練習時よりもネックを深く握りこんでの演奏。具合が大分変わってしまって、これまでセーフだった所でも落ちたり外したりしてしまったし、さらに酷いことには、体への負担のかかり方が変わってしまって、今日は体のゆがみがものすごい。体は軋むし頭痛はするし気分はだるいし、もうどうにもならず、朝から寝ている。休みでよかったです本ト。
 しかし、これまでよく分からなかった、良くない体の使い方について、少し悟るところがあったので、それはそれで収穫である。その点についてはまた今度別の記事で。以前に書いた腕の各部の長さの比率に関わることなので、その続きとして処理しよう。

 本番で弾いた曲目はブラ1とショスタコ9番。案外どうにかなるもので、特にブラームスでは、ポジション移動時に楽器を顎で挟まなければならなかったのは、せいぜい2〜3箇所。問題はむしろ、ビブラートの際に楽器の揺れを制御するのが難しい点である。
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体格と演奏 試論 その2

2009/03/29 22:15
1.鎖骨が長い(=肩幅が広い)

 この条件は、右腕においても左腕においても、殆ど何一つ有利な点が見つからない。

a) 右腕の場合
 まず右腕についてだが、鎖骨が長いと、単純に右腕の位置が楽器から遠くなる。さらにビオラの場合は、胴体下部が相対的に長く、楽器が厚くまた駒の位置自体も高いため、右肩から駒までは、さらに遠くなる。
 これが具体的にどう作用するかというと、第一に、右の脇の角度が狭い状態で作業しなければならない割合が増える。私の場合、さらに、相対的に上腕が長く、肘の位置が遠くなるため、弓元での作業は、さらに内側で行わなければならない。

 脇の開度を保持しようと思えば、対策がないわけではない。楽器を、体に対してより深い角度で構え、弓の進行方向に、横向きのベクトル成分を追加してやれば良いのである。
 しかし、こうすると、弓の進行直線に対して鎖骨の角度が浅くなり、鎖骨の長さは、より進行方向に生かされるので、右肘から楽器までの距離が、らさらに遠くなってしまう。 それで、肘の有効可動範囲内で運弓可能にするためには、この方向に沿って、楽器の位置を修正する必要が出てくる。

 しかし。
 私の場合、次の二つの理由により、この対策をとることが出来ないのである。
 ひとつは個人的な身体条件に関わる点。私の首は前方にやや突き出しており、喉仏も高いため、鎖骨の上でこの方向に楽器を動かすと、どうしても喉を圧迫してしまうのである。
 もうひとつは、もっと普遍的なこと、つまりおそらく大概の人に当てはまること。つまり、右肩が広い人は左肩も広いのである。だから、今述べた右の鎖骨が長いデメリットは、次に述べる左側のデメリットと、常に組み合わさっているのである。


b) 左腕の場合
 楽器の位置に関して、左側の鎖骨が長いと、どういう問題が起こるか。

 人間の体は良く出来ていて、特に腕や手などは、工夫次第でいくらでも自由が利きそうである。しかし、バイオリン・ビオラを弾く際のような、かなり無理のある条件下では、これは当てはまらない。とくに肘の開閉についてはそうであり、どれだけ工夫しようとしても、肘はひとつの方向にしか曲がらないのである。
 加えて、手の位置を、ネックに沿って直線的に動かすには、運弓の場合同様、肩と肘の関節を、正しく一定の割合で開閉しなければならない。特にビオラの場合、同じ手首位置で隣のポジションを押さえる、というバイオリン的芸当は、左手指の開き具合に余裕が無いため、ほぼ不可能であり、それゆえ、特に1〜3ポジションでの移動は、もっぱら腕の開閉に頼る必要が出てくる。

 これらの条件から導かれるのは、特にビオラの場合、腕と楽器の位置関係に関しては、かなり自由度が低くなってしまう、という結論である。具体的な基本原則を示せば、肘の開閉を最大限生かすために、肘の開閉の方向と指板の方向を、出来るだけ一致させたいということである。ここで、本当は前腕の長さなども考慮に入れなけらばならないが、煩雑さを避けるためにここでは省くとして、最低限いえることは、鎖骨上に楽器を置く位置は、なるべく肩から離れすぎない方がいい、ということである。
 また、別の観点から言うなら、左腕にビオラを構える際、肩幅があることでビオラの演奏に有利になる、ということには、全くならないのである。むしろ、慣用的な顎あての位置を遵守しようとすれば、楽器は左肩から離れてしまうし、また、先に示した右側の肩幅対策をする際にも、楽器の角度の調節は出来ても、位置を変えることは出来ないため、非常に不利なのである。

 実際に、私の場合、鎖骨の長さが20センチほどもあり(*)、通常の顎あて、つまりテールピースより左側についている顎あてがちょうど顎の下に来るようにすると(*)、肘の開閉の方向と指板の向きはかなり食い違ってしまい、単純な肘の開閉とは別の操作が必要になる。具体的には、指板がより横向きになるので、肘の開閉と併せて、肘を胴体に寄せるように、別方向に脇をを閉じることが必要になるが、そもそも、肩幅の広さのせいでこの角度がもともと狭く、あっという間に限界まで閉じてしまい、それ以上動かすことが出来なくなる。
 さらにこの場合、楽器の向きにあわせて、弓の方向も、より前後のベクトル成分が多くなり、弓元での右肩の窮屈さはいや増すばかりである。自分の場合、このときの右上腕の移動範囲は、ほぼ完全に肩のラインより内側になってしまう。



 このように、どれだけ考察と実践を繰り返しても、肩幅の広さが、それだけでビオラ演奏に有利になるという事実は、全く見つからないのでありました。

続く。

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*肩幅(鎖骨の長さ)については、こちらのサイト http://www.violinistinbalance.nl/index.html で紹介されている人たちの中でも最大が17センチほどであり、私の鎖骨が如何に長いか分る。

*顎あてを使わずに弾く練習をした結果、自分にとって最も矛盾の起こらない顎あての位置は、完全にテールピースの右側であるという結論に達した。


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体格と演奏 試論

2009/03/26 20:11
 私は、身長が178cmと、日本人としては結構あり、鎖骨と上腕が長めなので、見た目体格がよく見えるらしい。それで、「大きいからビオラ弾くには良いですね」とか、「うらやましい」とか、たまに言われたりする。
 しかし実感としては、そこまで有利だとは思わない。あるとすれば、ボウイングで腕の重さをかけるときや、その重さを弓の速さに変換するときに、操作の幅がいくらか広くなる、といったことぐらいだろうか。しかしその重さはそのまま、演奏姿勢を維持したり、運動を制御する際の疲労の増大につながるので、一長一短といったところか。

 最近やっと理屈がわかってきたことだが、鎖骨が長い(肩幅が広い)ことと上腕が長いということは、演奏においてはあまり有利な条件ではない。以下、両者それぞれの場合について簡単に検討してみたいが、この議論に先立って、弓の直線運動と腕の長さに関して、はじめに確認しておかねばならない点がある。それは、「弓の進行方向の動きに寄与するのは、殆ど全て前腕である」ということである。

 我々がふつうに「腕」というとき、必ず含まれるのは前腕と上腕、取り扱う対象によって、手(英語で言う hand の部分)や鎖骨も含める場合がある。また、ふつう「腕の長さ」という場合、各部の長さのバランスよりも、これらの総合値が問題にされる。はじめに、それらの各部の役割について簡単に確認しておく。


 運弓について寸法的な視点から考える場合、@弓と弦の接点、A肩、B肘、C手首の4点からなる4角形を考える必要がある。
 このとき上腕は、弓の進行直線の対辺にあたり、大抵の場合、この直線に対して浅い角度が維持される。このため上腕の機能は、「前腕のヒンジ運動を弓の直線運動に合わせるために、肘の位置をこの直線から遠ざけたり近づけたりしてバランスをとる」、という事に、ほぼ限定される。このため、弓の進行方向に対して、上腕が直接的に寄与することはない。

 また、手は、基本的に弓と一定の角度を保つことが望ましい。これは、手首を重点的に用いる様々な奏法において、それらの運動に手が柔軟に対応できるようにしておくためには、ニュートラルな基本位置を常に維持しておく必要があるからである。このため手は、弓の演奏位置によって、角度を変えることは出来ない。いわば手は、機能的には、腕というよりはむしろ、弓の一部として考えてしまってよく、弓と一まとまりのものとして、腕によって運ばれるものであるといえる。それゆえ、弓位置の移動に、手が寄与することはない。

 鎖骨については、楽器の角度を変えることによって、弓の進行方向の長さに変換できるが、これは純粋に寸法的なことで、固定的なものであり、運動という観点からは、直線的運弓には寄与しない。

 これらのことから、「弓の直線運動に寄与するのは、ほぼ前腕だけである」、と結論できるのである。
 このことから分るように、鎖骨の根元からから指先まで、という、よく「腕の長さ」として持ち出される基準は、こと弓の直線運動に関しては、それだけでは何の指標にもならないのである。問題となるのは、「手の動きに十分な余裕持たせられる手首の角度を維持しつつ、前腕をどれだけ動かすことが出来るか」、ということである。つまり、前腕が長いほど、同じ円周角における弓の移動量は大きくなり、また同じ弓位置での手首の角度も広くなるので、運弓にとって有利といえる身体条件があるとすれば、「前腕が、運弓に必要な振れ幅を容易に確保できる程度には長く、しかも肘の角度が狭くなるほど長くはない」、という一点だけなのである。


 以上の点を踏まえた上で、本題に戻る。

(続く)
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