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zoom RSS 体格と演奏 試論 その2

<<   作成日時 : 2009/03/29 22:15   >>

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1.鎖骨が長い(=肩幅が広い)

 この条件は、右腕においても左腕においても、殆ど何一つ有利な点が見つからない。

a) 右腕の場合
 まず右腕についてだが、鎖骨が長いと、単純に右腕の位置が楽器から遠くなる。さらにビオラの場合は、胴体下部が相対的に長く、楽器が厚くまた駒の位置自体も高いため、右肩から駒までは、さらに遠くなる。
 これが具体的にどう作用するかというと、第一に、右の脇の角度が狭い状態で作業しなければならない割合が増える。私の場合、さらに、相対的に上腕が長く、肘の位置が遠くなるため、弓元での作業は、さらに内側で行わなければならない。

 脇の開度を保持しようと思えば、対策がないわけではない。楽器を、体に対してより深い角度で構え、弓の進行方向に、横向きのベクトル成分を追加してやれば良いのである。
 しかし、こうすると、弓の進行直線に対して鎖骨の角度が浅くなり、鎖骨の長さは、より進行方向に生かされるので、右肘から楽器までの距離が、らさらに遠くなってしまう。 それで、肘の有効可動範囲内で運弓可能にするためには、この方向に沿って、楽器の位置を修正する必要が出てくる。

 しかし。
 私の場合、次の二つの理由により、この対策をとることが出来ないのである。
 ひとつは個人的な身体条件に関わる点。私の首は前方にやや突き出しており、喉仏も高いため、鎖骨の上でこの方向に楽器を動かすと、どうしても喉を圧迫してしまうのである。
 もうひとつは、もっと普遍的なこと、つまりおそらく大概の人に当てはまること。つまり、右肩が広い人は左肩も広いのである。だから、今述べた右の鎖骨が長いデメリットは、次に述べる左側のデメリットと、常に組み合わさっているのである。


b) 左腕の場合
 楽器の位置に関して、左側の鎖骨が長いと、どういう問題が起こるか。

 人間の体は良く出来ていて、特に腕や手などは、工夫次第でいくらでも自由が利きそうである。しかし、バイオリン・ビオラを弾く際のような、かなり無理のある条件下では、これは当てはまらない。とくに肘の開閉についてはそうであり、どれだけ工夫しようとしても、肘はひとつの方向にしか曲がらないのである。
 加えて、手の位置を、ネックに沿って直線的に動かすには、運弓の場合同様、肩と肘の関節を、正しく一定の割合で開閉しなければならない。特にビオラの場合、同じ手首位置で隣のポジションを押さえる、というバイオリン的芸当は、左手指の開き具合に余裕が無いため、ほぼ不可能であり、それゆえ、特に1〜3ポジションでの移動は、もっぱら腕の開閉に頼る必要が出てくる。

 これらの条件から導かれるのは、特にビオラの場合、腕と楽器の位置関係に関しては、かなり自由度が低くなってしまう、という結論である。具体的な基本原則を示せば、肘の開閉を最大限生かすために、肘の開閉の方向と指板の方向を、出来るだけ一致させたいということである。ここで、本当は前腕の長さなども考慮に入れなけらばならないが、煩雑さを避けるためにここでは省くとして、最低限いえることは、鎖骨上に楽器を置く位置は、なるべく肩から離れすぎない方がいい、ということである。
 また、別の観点から言うなら、左腕にビオラを構える際、肩幅があることでビオラの演奏に有利になる、ということには、全くならないのである。むしろ、慣用的な顎あての位置を遵守しようとすれば、楽器は左肩から離れてしまうし、また、先に示した右側の肩幅対策をする際にも、楽器の角度の調節は出来ても、位置を変えることは出来ないため、非常に不利なのである。

 実際に、私の場合、鎖骨の長さが20センチほどもあり(*)、通常の顎あて、つまりテールピースより左側についている顎あてがちょうど顎の下に来るようにすると(*)、肘の開閉の方向と指板の向きはかなり食い違ってしまい、単純な肘の開閉とは別の操作が必要になる。具体的には、指板がより横向きになるので、肘の開閉と併せて、肘を胴体に寄せるように、別方向に脇をを閉じることが必要になるが、そもそも、肩幅の広さのせいでこの角度がもともと狭く、あっという間に限界まで閉じてしまい、それ以上動かすことが出来なくなる。
 さらにこの場合、楽器の向きにあわせて、弓の方向も、より前後のベクトル成分が多くなり、弓元での右肩の窮屈さはいや増すばかりである。自分の場合、このときの右上腕の移動範囲は、ほぼ完全に肩のラインより内側になってしまう。



 このように、どれだけ考察と実践を繰り返しても、肩幅の広さが、それだけでビオラ演奏に有利になるという事実は、全く見つからないのでありました。

続く。

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*肩幅(鎖骨の長さ)については、こちらのサイト http://www.violinistinbalance.nl/index.html で紹介されている人たちの中でも最大が17センチほどであり、私の鎖骨が如何に長いか分る。

*顎あてを使わずに弾く練習をした結果、自分にとって最も矛盾の起こらない顎あての位置は、完全にテールピースの右側であるという結論に達した。


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