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<<   作成日時 : 2009/05/02 05:37   >>

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先週末、注文していたアヂャスターが届いたので、早速装着。別に注文していたEvah Pirazzi も既に届いてたので、こちらも交換。しかし・・・。

 このタイプのアジャスターの利点は、駒−TP間の弦長が他の弦と同じになる、ということなのだが、しかし実際つけてみると、TP枕からの浮き具合が酷く、駒での位置で曲がる角度が、他の弦とまったく変わってしまう。
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結果、全体のバランスで、D線の枕位置がもっとも低く、角度もきつくなり、逆にC線の枕位置は高くなって角度はゆるくなり、それと同じぐらいにA線の位置も高く、左手で弦を押さえた感じはD線が抑えにくくて、ものすごくバランスが悪くなってしまった。
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さらにEvah Pirazzi はやけにテンションが強く、おまけに弦が細身なので、左手が疲れて仕方がない。
この前までふた月ほど、C・D線がスチール、A・D線はシンセティック芯の弦で、アジャスターも使わず、という条件で、各弦のテンションバランスも悪くはなかったので、とにかく強烈な違和感だけしかない。
 とりあえずアジャスターを外し、穴にボールエンドを通して普通に張ってみると、テンションバランス自体は良くなったが、しかし弦自体が細くて張力が強く、押さえづらいのは確かなので放置は出来ず、A線はスチールで、反応過敏で調弦困難なので、どうしてもアジャスターは欲しい。

 ということで、早急に対策を試みてみた。

 @テールガットを少し緩める。
 Aテールピースを抉って、アジャスターを半埋め込み状態にする。
 B諦めて元のアジャスターを使う。
 C元のアジャスターの弦長・角度が均一になるように、後ろのほうに取り付ける。

結局、Cの段階にいたって、感動的とすら言える成功を収めた訳なのだが、そこにいたる過程というものがある訳で、その辺を少し詳しく。


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 そもそもの張力が強すぎる様だったので、最初の根本対策は@テールガットを緩める。
 張ったままの弦がばらけないよう、マスキングテープで弦をネックに縛り付け、すべての弦を緩めて、おずおずとテールピースをはずす。魂柱が倒れると面倒なので、慎重に楽器ケースに安置。そしてテールガットの留め具を緩める。ここまでは通常どおり。

 今回注文したアジャスターは、弦がテールピースから浮き上がってしまっていることが問題だったので、次の対策はテールピースの抉り処置。この処置は、テールピース自体がそこまで厚いものではないため、せいぜい2mm程が限度。おそらくそれでは足りないのだが、様子を見なければどうとも言えないので、とりあえず実行することに。
 取り付けた状態で、細いシャーペンで輪郭を写す。はずした後、ナイフと細工ノミで加工。細かい作業だが根気よくやりましょう。大体形が出来たら、実際に着けたり外したりしながら、収まりがよくなるように微調整。
 ここでついでに、前から気にしていたテールピースのアールを少しきつくする作業。C線が1mmちょっと低く。

 何とか実際に取り付けられる状態になったので、実際に装着して検証。しかし半ば予想した通り、そこまで大きな効果は出なかった。これはもともとの高さのほかにも、ボールエンドを引っ掛ける爪の部分が枕に当たってしまって、枕をそのままにしたままでは、それ以上低くすることは出来ない、というのが一因。いっその事枕を完全に除去してしまうという手もアリっちゃアリだが、失敗したときの修復はかなり面倒になるし、アジャスター無しという選択肢も残しておきたいので、そのままに。

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 第一の対策はあまり上手くいかなかったので、方向転換してとりあえずB元のTP付属のアジャスターを装着してみる。

 しかしこれも、弦長が短くなって張力は緩くなるのだが、角度自体は新しいのと対して変わらず、総合的な結果としては、余計にバランスが悪くなってしまった様な気さえする。1月末、実験TPを作ってみるまで、ずっとこれでやっていたのが、とても信じられない。アジャスターなしでしばらくやってみた後だと、どういう風におかしいのか、というのが少し意識できるようにはなっているらしい。

 アジャスター無しと有りで違うのは、まず弓の入力に対する反応。有りの場合、他の弦と同じような力の入れ方のバランスで弾くと、少し弦が暴れてしまい、コントロールが難しくなる、という感じがある。とくに、レガート、アルペジオ、重音などで、A線とD線のバランスをとるのが、難しくなる。しかも、ただ音量の出方のバランスが変わるだけでなく、同じセットの弦でも音色の傾向が変わるし、今回は特にA線だけスチールなので、極端に言えばA線だけ別の楽器を弾いているような感じすらある。(ただしA線だけスチール芯というのは、アジャスター自体がそもそもVnの金属E線の微調整用に発明されたものらしいので、別におかしなものではない。むしろ、ガットやシンセティック芯の弦に、しかもA線だけに使うのが不自然で、アジャスターのねじの可動域がやたらに広くなっているのも、本当はおかしい。後述するが、Pirazzi のスチールAでは、ボールエンドの位置が1mm程度動くだけで、4半音分ぐらいの調節が可能であると分かった。)

 また別の点で異なるのは、やはり左手で弦を押さえたとき、更には放すもしくは弾いたときの反応の具合である。押さえたときの違いでは、指を当てる角度が、アジャスター使用時のほうがより垂直に近くする必要があるように感じられる。ただしこの点は個人差も大きそうなので、断言は控えておく。また、そうなってしまう理屈もはっきりしない。
 指を離すとき、特に弾くときの反応のしやすさは、明らかにアジャスター無しのほうが優れている。駒までの弦長を
短くした際、特にD・G線では反応しやすくなったが、その基準から更にアジャスターを着けてしまうと、今度は緩くなりすぎて、抵抗が少なくなるのか、弦が指にまとわりつく度合いが大きくなるようで、なかなか弦が指を離れてくれず、弾くモーションが大きくなってしまうようである。

(バシュメットはじめ、すべての弦にアジャスターを使用している奏者はたまに見かけるが、それは、スチール弦を使っているといういう以外に、このような各弦のバランスの問題もあるのかもしれない。)


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 話がずれてしまったようであるが、次の対策の発想にも寄与するところが大きい観点であったので、ご容赦願いたい。

 これまでに試したものは全て上手く行かなかったので、最後に行ったのが、C普通よりも後ろに普通のアジャスターを取り付ける、というものである。
 作業としては、

 @元の穴の位置より後ろ、強度に問題が出ない程度に距離をとって、新しい穴を開ける。
 Aボールエンドの位置をなるべく枕に近づけられるように、駒寄りのTP本体に切り込みを入れる。
 Bボールエンドが枕のすぐ前に来て、他の弦と角度が同じになるようするため、アジャスターの角度がちょうど良くなるように穴の入り口を微調整して、TPの裏とアジャスターの間にコルクなどを挟む。

 
 先にも書いたように、効果は劇的であった。一本だけスチール線であるにもかかわらず、音量、音質のバランスが取れているし、レガート、アルペジオなどのつながりも自然に作りやすい。重音でもA線に程よく抑制が効き、A・D間のバランスが取りやすい。3・4本弦の崩した和音から最高音がそのままメロディーになるような弾き方(バッハの無伴奏チェロのアルマンドとかその他いろいろ)では、A線だけが飛び出してしまわない様に気を使い過ぎる、ということがなくなる。「和音の中から自然に生えてきたメロディー」という、とても大事なニュアンスが、大分楽に出せるようになる。

 こうした変化は、多分そもそもの弦のクオリティ自体がいい(1万5千だぞ?消耗品を分割払いするなんて、一体何事か)、というのも理由の一つではあろうが、しかしそれを発揮できる条件というのは、この改造で相当程度改善されたようである。

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コメント(2件)

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 アジャスター内蔵のテールピースじゃダメなんでしょうか?木製は高価ですが、Wittnerの軽合金製は安いですし。
たけちゃん
2009/05/02 20:37
コメントありがとうございます! コメント頂いたのはこれが初めてですので、緊張します・・・

まさにその通り、といえなくもないのですが、このような事情があって、
http://altocicada.at.webry.info/200903/article_13.html
自分で作ったものを使っていまして、この際ですし色々実験してみよう、というのが一つの趣旨になっています。

 そのうち記事にするかとも思いますが、テールピースのほかにも、この一年ほど、顎あての自作研究(といえるほど立派なものでもありませんが^^;)もやっておりまして、アクションの低い首周り、というのも研究課題です。 なので、市販のテールピースだと意図に沿うものが一つもない、という状況なのです・・・。 まあ、単純に木工が楽しくてしゃあない、というだけの可能性もなきにしもあらず・・・^^;
altocicada
2009/05/04 06:15

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